好きなチェリストは誰ですか?という話を今まで数え切れない程してきたし、皆さんもなさってきている事と思う。

今の私が聞かれたら・・・うーん・・・。

因みにこの質問、私の3人のお師匠様にした事があったのだが、返答は、

毛利先生「うーん・・・ロストロももちろん好きだけど・・・聴いてて飽きないフルニエかなぁ。」

バルトロ先生「その質問には2人名前を挙げねばならない!1人はフォイアマン、そしてもう一人はロストロポーヴィッチ! この2人だね!ただあと、演奏家とし、トルトリエも好きで彼のマスタークラス行ったりしてたよ。」

シュバヴ先生「フォイアマン!私は彼の孫弟子で、自分の先生からフォイアマンの話をいつも聞かされてたからね。 ただ、演奏家とし、私淑しているのはオイストラフだ。」

因みにシュバヴ先生のレッスン室にはフォイアマンとオイストラフの写真が掛かっている。

ある時レッスンの際、右手に関して中々私が理解できないでいる事があったのだが、「よいお手本がある。見よう」と言ってオイストラフのDVDを見始めたことがあった。

オイストラフのDVDを堪能した先生はえらく上機嫌で、その後のレッスン中ずーっとご機嫌だった。

20世紀の間に演奏技術が最も進んだ楽器と言われるチェロ。その先駆者とし、カザルスがいて、そしてその後、ロストロポーヴィッチという人が現れる。

ロストロポービッチと佐藤智孝

以前毛利先生が雑誌に書いていらしたのだが、「昔は例えばロシアとフレンチメソードでは弓のスピードに大きな違いがあったりした。だがロストロという偉大な人が現れて、目指す方向が定まってきた。」

あるマスタークラスで小さな音で自信なさげに弾いていた生徒に、「君はロストロポーヴィッチのような音をだしたくないのか!」と叱咤した先生がいらしたが、チェロを弾く人ならおそらく誰もがあの雄大な音をだしたいと思うだろう。

私も初めてロストロの音を聴いたときは(CDだったが)驚いた。

こういう音がだせるものなんだと!私もこういう音をだしたい!と。(誰でもだせる訳でなっかたが。。。)

そして今やスーパースターのヨーヨーマ等が現れてくるわけだが、演奏の分業とでもいおうか、 ビルスマのようなバロックチェリストが同業者からも畏敬の念を集めている事もチェロの20世紀としあげられると思う。

ビルスマと佐藤智孝

鈴木秀美さんが著書の中で書いているが、書かれた当時の音で演奏するようになってきたのは最近の事であり、そしてビルスマのように多大な影響を後進に与えた演奏家は類をみない。

ビルスマのバッハを聴き、感銘を受けたヨーヨーマがレッスンをお願いしたのは有名な話である。

昔は一人でばよりんもチェロも弾き、管楽器も兼任していた。

その後、専門化が進み、ばよりん弾き、チェリスト等、1人1つの楽器となっていくのだが、今後はバロック演奏専門のチェリスト、現代音楽専門、ロマン派専門等に別れていくのでは、と予想している人もいる。

その先駆けがビルスマというわけである。(私が主張した訳ではない。私はバロックも古典もロマン派も全部勉強し弾きたいと思っている。)

名前を挙げた偉大なチェリスト、ロストロも勿論好きだし、ビルスマの演奏も凄く好きだし、、、

ただ、今一番好きなチェリストと聞かれると、多分私はモルクと答える。

トゥルルス モルクと佐藤智孝

例えば明日本番でどうしてもオケの曲さらわなきゃいけない時に、無性にドヴォコンとか違う曲を弾きたくなったりする事がある。

そんな時聴くのは大抵モルクの録音。とにかく音が素晴らしいから引きこまれ、そして何より安心して聞いてられ、聞き終わると幸せな気分になる。

解釈も奇をてらった事やわざとらしい事もせず、きわめて正統派。今一番のお気に入りで、私がお勧めするチェリストです。

と言ってもチェロを始めた頃はご多分に漏れずロストロポーヴィッチ、ヨーヨーマと言ってましたから、今後どう変わっていくか解りませんが。。。。

因みに普段はあまり音がしているのが好きではないので、何かCDをかけているというようなことはめったにありません。